うさぎの耳

Q06 ほくろについて

足の裏のほくろはがんになると聞いたのですが、本当ですか?

診断書

良性のほくろとほくろに見える悪性黒色腫は違うもので、ほくろががんにはなりません。

 「ほくろのがん」は色素を作る細胞のがんでメラノーマ(悪性黒色腫)と呼ばれています。日本人はメラノーマが足の裏にできることが多いので、足の裏のほくろには気をつけたほうがいいとよく言われています。
 ほくろは生まれつきのものと思われています。もちろん生まれつきのものもありますが、多くは生後のいろいろな時期に新たに生じてくる良性のできもの(腫瘍)です。
 メラノーマは「ほくろのがん」と呼ばれているため、あたかもほくろががんになるかのように思われますが、実際にはほくろががんになることはあまりありません。ほとんどのメラノーマはほくろとは無関係に、最初から悪性のできもの(すなわちメラノーマ)として生じますが、発生初期のメラノーマは非常に小さいために「ほくろ」と間違われる可能性があります。したがってほくろかメラノーマの初期かを見極めることが重要となります。
 ほくろかメラノーマかの判別にもっとも役立つのは熟練した皮膚科医の目です。これでほとんどのメラノーマは判別されます。最近では皮膚の中を透かしてみるダーモスコピーという方法も導入され、より詳しく診断することが可能となっています。

葉狩皮膚科クリニック 院長 

葉狩良孝

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